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【この状態で約50cmのところにピントが合います】 「レンズベビー」は、アメリカはオレゴン州在住のブライダル写真家Craig Strongが、中判トイカメラ「HOLGA」(銀一オンラインショップで販売予定)のようなユルい映像をデジタル一眼レフでも味わえないかと開発したものです。 |
現在は初代の単玉「レンズベビー(オリジナル)」と、その豪華版(?)である二枚構成の「レンズベビー2.0」の二種が発売されていますが、どちらも共通しているのは蛇腹式のレンズチューブ(鏡筒)を伸縮させてピントを合わせ、その後にレンズを振って流れ効果を楽しめる、ということです。
今回私が中心的に使ったのは開放値がf2.0と明るい「レンズベビー2.0」ですが、これはまず外観と操作感が面白いです。ピント合わせは19世紀のベス単カメラとまったく同じ、蛇腹を伸縮させて行います。レンズをボディに取り付けたままの状態ですと、ピントは約50cmのところに合います。


【左:ピントを合わせる時はレンズの縁を両手で(片手でもO.K.)つまんでチューブを縮めます。】
【右:ピントが合ったら、すかさずレンズをシフト!!!! これを初めてファインダーで覗くと、感動します。】
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【ボディが大きいと、ピントを合わせがちょっとやりにくいかも。】 さてピントの合わせ方が分かったところで、絞りはどうなっているのでしょうか? 明るい屋外などでは絞り込みたくなりますが、「レンズベビー2.0」はレンズ側で勝手に絞ってはくれません。 |
自分で、ドーナツ状に穴が空いた板を付け替えて光量を調整するのです。絞り板はf2.8、f4、f5.6、f8 の4種から選べるのですが、レンズ前面と絞り板が磁石で吸着するので、初代の「レンズベビー(オリジナル)」の様にゴムリングを出し入れする手間が省けます。
※「レンズベビー(オリジナル)」は絞りがマグネット仕様ではないので、絞りが落ちないよう保持ゴムを付ける必要があり、頻繁に絞りを変える人には適しませんでした。
【絞り板は付属のツメで取り出します(指でも可能)】
操作方法は上記のような感じですが、実際の写りはと言うと・・・本当に面白いです。フレキシブルに動くレンズチューブを傾けることによって画面のスイートスポット(Sweet spot = ピントが合う場所)を移動させて、それ以外の部分は柔らかくボケる(流れる)、という描写はコンピュータの画像処理では得られない味です。「レンズベビー 2.0」は、明るい開放値と低分散ガラスとの組み合わせにより、色ニジミが少なく素直で柔らかな、まるで溶けるようなボケが印象的です。このあたり、カメラ愛好家達が嬉し泣きしている顔が浮かんできます。
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・ニコンD2H + レンズベビー(オリジナル)・ISO400・f2.8・1/4000秒 宮城県で、祭囃子に誘われて撮りました。スイートスポットを中心に来るように撮影。視線が中心に集まるような効果が面白いです。 |
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・ニコンD2H + レンズベビー(オリジナル)・ISO400・f2.8・1/8000秒 スイートスポットがやや右上に来るようにして、子供たちが頑張る臨場感を表現。 |
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・ニコンD2H + レンズベビー2.0・ISO400・f2.8・1/8000秒 何気ない街中(アメ横)もレンズベビーで撮影するとちょっと面白い写真になります。 |
昼間の作例をチョットお見せしましたが、今回、私が特に面白いと思ったのが夜景です。夜景は三脚を使って撮るもの、なんていう固定観念は捨てて下さい。レンズベビーは形状も使い方も、そして写りもゴーイングマイウェイですから、夜景の常識も無視!!! そこで、下記にレンズベビー2.0で手持ち撮影した夜景作例をお見せします(カメラ設定は絞り優先オート)。
・ニコンD2H + レンズベビー2.0・ISO200・f2.0・1/160秒
「華やぐ街」という題を付けた、今回の私のベストショットです。銀座の歩道で、ふと撮りたくなった光景。こうして三脚を立てられない(立地が悪い・時間的余裕がない)場所でも、レンズベビー2.0なら数秒で撮影出来ます。これは絞り2.0の明るさと、手振れやピンボケを気にしない気軽さがプラスに働いた一枚です。
・ニコンD2H + レンズベビー2.0
・ISO200 f2.0 1/200(写真左)
・ISO200 f2.0 1/125(写真右)
同じ位置でわざとピントを外して撮影、そして場所を変えて、レンズベビーのピントには触らず(焦点は約50cm)に撮影。テレビドラマ等でよく見掛ける効果ですが、自作で絞りリングを作るとボケももっと面白くなると思います。今度作ってみようかなぁ・・・。
・ニコンD2H + レンズベビー2.0
左:ISO200 1/1.5
右:ISO200 1/1.6
・ニコンD2H + レンズベビー2.0
左:ISO200 1/1.6
右:ISO200 1/2
江戸川区のあるマンションの屋上より。上下左右に街が流れて、イメージが膨らみます。自分でタイトルやストーリーを作っていくと楽しみがもっと広がるかも知れません。
今回レンズベビーを使ってみて、写真表現の自由さを改めて感じました。ピントかっちりの風景写真や後ボケが綺麗なポートレート、という王道的な写真ばかりを見慣れた目には、レンズベビーがその枠組みをブチ壊してくれるような勢いが感じられます。ただ、このレンズベビーを「作品表現の為」だけに使ってしまってはもったいないと思います。レンズベビーをアート化して追求している人もいますが、レンズベビーは本来楽しいモノなので「いかに巧く使いこなすか」を競うより、撮影の息抜きに遊ぶほうが良い写真が撮れるのではないかと思うのです。「いかに楽しむか」という事はレンズベビーに限った事ではなく、カメラ・写真全体に言えることかも知れませんが。
まずは、写真を楽しもうと思う気持ちを呼び起こしてくれたレンズベビーと、その開発者に感謝です。
最後に、レンズベビーはロマンか、おふざけか? 冒頭のタイトルでの問いに答えを用意するとすれば、それは間違いなく「ロマン」であると私は思います。
それは普通ではない写真を求めるという冒険心と、見た事もない面白く美しい描写。このふたつが組み合わさって、従来の「正しい写真」という枠にとらわれない自由さを使用者に与えてくれるのです。たった1枚か2枚のレンズで写りにこだわる「レンズベビー(オリジナル)」と「レンズベビー2.0」こそ、ロマンと呼ばずして何と呼びましょう?
1)撮影モード
レンズベビーはカメラ側測光システムと電気的な接続はありませんが、キヤノンEOSシリーズではマニュアルまたは絞り優先オートで撮影可能です。ニコン Fシリーズのほとんどの機種とD1/D2/D200では絞り優先オートとマニュアルが可能です。ニコンD80/100/70/70s/50、そしてF80 /70/65/55/50などではマニュアルにしてお使い下さい。
2)焦点距離
35mm判でほぼ50mm相当ですので、デジタル一眼レフでの焦点距離換算だけ覚えておいて下さい。
3)手持ち夜景撮影のコツ
街明かりの状況にもよりますが、マイナス1〜2段ほど露出補正をします。脇を閉めてしっかりと構え、「なるべくブレないで」と心の中で願ってシャッターを切ること。デジタル一眼なら撮影後に画像をチェックして、結果が悪ければどんどん取り直しましょう。
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【撮影後のチェックもデジタルの醍醐味です。】 |
●製品情報は下記をクリックして下さい
・「レンズベビー(オリジナル)」
http://www.ginichi.com/product_info.php?products_id=3653
・「レンズベビー2.0」
http://www.ginichi.com/product_info.php?products_id=3243
・「レンズベビー用マクロレンズキット」
http://www.ginichi.com/product_info.php?products_id=3873
いずれも、銀一オンラインショップにて大好評発売中!!!
●参考リンク
・レンズベビー開発者Craig Strongホームページ
http://www.strongphotography.com/
・レンズベビーメーカーサイトの作例集
http://www.lensbabies.com/pages/gallery.php?dyer