[使用事例]映画 火花

2017.11.01
トピックス

RØDEアンバサダーで録音の久連石由文氏は、原作が芥川賞を受賞したことでも有名な、映画『火花』(配給:東宝・監督:板尾創路・2017年11月23日公開予定)の撮影に、RØDE Microphones社製の様々なマイクで撮影に臨んだ。
普段から撮影時に一番大事にしていることは、「現場の音を、いかに現場で録るか。」という久連石氏。実は今回の映画が、久連石氏にとって初めての、RØDE Microphones社製マイクを使った映画撮影となった。


撮影に臨むにあたり、それぞれのマイクの性能や特性を理解しておかなければ、最適なマイクで音を録ることもできない。そのために、マイクテストからのスタートとなった。
周波数の特性や振ったときの印象、芯の出方などを入念にチェックしていく。
マイクは問題なくテストをパスし、実戦デビューへと至った。


今回の撮影では、”NTG3B”をメインに、”Lavalier”、”NT4”、”NT6”など、シーンに合わせて様々なマイクを使用。


また、”Filmmaker Kit”や”Newsshooter Kit”といった最新のワイヤレスシステムも活用し、スムーズに現場での撮影をこなしていった。


漫才師の人生を描く本作、シーンの大半は、屋外やホールでの漫才や、役者たちによる軽快なトークで話が進む。
特に、漫才のシーンは劇中でもキーになるシーンで、ホールの臨場感が非常に重要だ。ホールに響く観客のガヤや、ステージ上のマイクを通してスピーカーから出る漫才の声を臨場感いっぱいに録るために、ホールの一番後ろに”NT4”を仕込み、ステレオ収録を行った。
このステレオのトラックをミックスすることで、奥行きのある音を再現し、あたかもホールにいるような印象を作り出した。


外ロケのシーンでは”Lavalier”が効果的に演者の声と周囲の音を分離し、電車が通過するシーンでも明瞭に声を拾うことができた。「RØDEのマイクの性能がいいから録れるんですよ。」と笑顔で話す久連石氏。
“NTG3B”はフラットな特性でゲインも高く、そのまま素直に使える音を出してくれる。撮影中は基本的にずっとメインマイクとして活躍した。
“NT6”は、ヘッド分離式の良さを活かし、狭い室内のシーンで活用された。”NTG3B“も念のため仕込んだものの、”NTG3B”と遜色なく”NT6”の音を使えた。


「大事なのは、与えられた現場の状況の中でいかにセリフを遜色なく録るかということ」と語る久連石氏。「撮影時に録った音がそもそもよくないと、仕上げ作業でどんな事をしても良い音にはならない。」だからこそ、現場でその瞬間を録音することにすべてを賭ける。

映画『火花』は11月23日(木)より全国上映される。
http://hibana-movie.com/