[使用事例] プラティポッド - 卓上撮影の必需品!! プレート状のミニ三脚 -

2020.10.15
トピックス

どこへでも手軽に持ち運び、もっと気軽に撮影を楽しみたい……そんな願いを叶えてくれる、世界にも類がない小さなプレート状の三脚、プラティポッド。
駿河台大学メディア情報学部教授 斎賀和彦先生より、自宅で簡単に楽しめる撮影方法を紹介していただきました。


超ローアングルで撮影する際の高い安定性や、素早い設置、不整地への柔軟な対応など、普通の三脚では実現できない撮影条件をカバーします。カメラだけではなく、ストロボやLEDなどの照明にも最適です。かさばらないフラットな形状で、持ち運びにも便利です。

ありそうでなかった脚のない三脚。platypodの印象はそこから始まった。スパイクやベルトが付属で三脚の立てられない(立てにくい)岩場などのヘビーなアウトドア用途に思えていたのだけど、実際は応用度の高いアイテムだった。

ステイホームな日常にいい加減疲れたある日、家から出ずに、なるべく手軽に、でもユニークなミニチュア撮影をしたいと思った。デスクトップフォト、文字通り机の上で完結する撮影遊び。
これが○○オクや○○カリ用の写真なら、背景は白のアールをつけて左右からライティングして……と、机の空きスペースでは厳しい。ところが、PCモニターに写真を表示して背景にするリアルタイム合成なら大丈夫。昔の特撮風に言えば「リアプロジェクション」ですね。

最初は戦闘機のミニチュア。
自分の撮った曇天の空をモニターに出し、その前にミニチュアを置く。ただ、そうするとカメラを保持するのが難しい。ミニチュアを玩具っぽく見せないコツのひとつは深めの被写界深度。最近のカメラがいかに手ブレ補正に優れ、長時間露光が出来るとは言っても、絞り込んだ状態では10秒単位のシャッター速度になるし画角調整もデリケートなので手持ちでは厳しい。だけどデスクの手前に三脚を立てると、被写体(ミニチュア)、背景(PCモニター)、カメラの位置関係の調整が難しい。小型の三脚を机上に置くのもありだけど、戦闘機をアオリで撮りたいのでカメラ位置はなるべく下げたい。そこで、platypod。今回は、platypod マックスを使用した。

platypodは極論すればただの穴の空いた鉄板。だけど複数用意された穴を使って雲台を装着したり、グースネック(フレキシブルアーム)を付けたり、スパイク脚を使って高さや傾斜をコントロール出来る。
patypodに小型の自由雲台をセットし、カメラ(EOS R5)を載せる。近接距離の撮影になるのと、パース感を出したかったので、レンズはRF35mm F1.8 MACRO。コンパクトなハーフマクロで35mmのちょい広角な画角が程よい。

背景はノートPCでもいいのだけど、広角のミニチュア撮影ではノートPCくらいのディスプレイサイズだと見切れが出てしまうので、大型モニターが望ましい。前述の被写体(ミニチュア)、背景(PCモニター)、カメラの位置関係の調整は主にミニチュアとplatypodを微妙に動かすことで行った。本当はギア雲台の方がデリケートな画角調整に向いているのだが、ギア雲台はどうしても大きく重くなるので、今回は小型の自由雲台を使っている。
レイアウトが固まったら、仕上げのライティング。とは言っても本格的なライティングは「手軽に」のコンセプトから外れてしまうので一灯のみ。というのも、そのままだと背景のPCモニターからの光が強すぎて手前がアンダーになってしまいがち。そこで戦闘機の上方に雲で隠れた太陽があるというイメージで光を追加した。

今回使っているのは小型のワイヤレスフラッシュFlashQ Q20IIの動画用ライト。背景との光量バランスを見るには定常光の方が圧倒的に使いやすい。
platypodに純正のフレキシブルアームであるグースネックを付け、その先にQ20IIを装着。Q20IIはワイヤレスによる制御が出来るので、カメラのシューに取り付けたリモートユニットから動画用ライトを調光し、上空の光源を演出してみた。


次に、クルマのミニチュアと小型カメラを撮ってみる。
戦闘機と違って、これらのオブジェクトが背景(の写真)と連続している(ように見える)必要がある。そのため、カメラのカットはplatypodを付属のスパイクを使って嵩上げしている。不整地や地面に挿すときに有効なスパイクだが、机上でもちょっと高さを変えるときなどに便利。
platypodに付属しているゴムを、スパイクの先端に被せれば机の傷つき防止になるが、今回は、敢えてホームセンターでゴムキャップを買ってきてスパイクに被せた。

また、飛行機同様、グースネックの先に補助光としてライトを設置しているが、こちらはLitra Proを用いた。Litraは定常光専用の小型ライトだが、Pro版はiPhoneから輝度と色温度をコントロール出来る。その機能を使い、光の色調を変化させ、全体のトーンを調整した。その際、EOS R5の液晶は参考程度にし、EOS R5とPCをUSBケーブルで接続、EOS Utilityによるプレビューをもう一台のPCモニターに表示、LitraProの照明色温度の調光と合わせてEOS R5のホワイトバランスも調整、トータルな色調をコントロールしている。


platypodは三脚を不要にするものではないが、三脚運用のしにくいシチュエーションや、小型ライト等を合わせて使うときには、三脚以上の使い勝手を見せるツールだ。


プロフィール
斎賀 和彦(さいか かずひこ)/駿河台大学メディア情報学部教授

CM制作会社の企画演出として多くのコマーシャルフィルムに携わる中で ノンリニア映像編集の黎明期に立ち会う。ハイエンド編集システムの公認トレーナーを経て、現在は大学、大学院で理論と実践の両面から映像を教える。駿河台大学メディア情報学部教授。
技術・ロジックと感性が表現の両輪、がモットーで、「デジタル時代の映像制作とワークフロー」が研究テーマ。近年は一眼動画をメインに表現活動を行い、4K、8K映像を中心に制作。企画、撮影、編集まで、可能な限り自分で行うのを主義としている。
美しい機械と美しいヒトが好き(駄洒落も好き)。
https://mono-logue.studio


platypod(プラティポッド)
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