[注目製品] コードバッグ - 機材管理をよりシンプルに、よりスマートに -
2023年11月に銀一で取り扱いを開始した「CRDBAG(コードバッグ)」は、撮影に関わるアイテムを効率よく収納・管理できるポーチやアクセサリーを製造する、スウェーデンを拠点としたメーカーです。
コードバッグの製品は、撮影現場のスタッフやクリエイターが扱いやすく、そして馴染みやすい機能性に加え、デザインを重視したつくりになっています。また、ブランドを代表する「コードポーチ」は、ただアイテムを収納するだけではなく、オプションを活用することでよりスムーズに、スマートに整理整頓できるよう工夫されています。
今回は、ノンフィクション映像作家の伊納達也さんに、撮影現場での活用方法やその使い勝手について教えていただきました。
機材管理をよりシンプルに、省力化するCRDBAGのシステム
CRDBAG(コードバッグ)のコードポーチは、端的にいうと「クオリティの高い機材用ポーチ」です。しかしその本当の価値はモノとしてのクオリティ以上に、この製品が作られた思想にある、と使っているうちに感じるようになりました。コードポーチを使うということは「CRDBAGの思想とそれを実現するためのシステム」を導入するということなのだと、私は思っています。
話は少し変わりますが、私はこれまでドキュメンタリーの撮影でさまざまな分野の「最高峰のものづくりの現場」にお邪魔してきました。三つ星シェフの厨房、ヨーロッパの最新の農園、歴史あるワイナリー、世界トップシェアのブランドの工場… 数々の素晴らしい製品を作っている仕事場のことを思い返すと、そこには共通点があるように感じます。それは「圧倒的なまでのレベルで整理されていること」です。
何かを作るためには準備が必要ですが、作業をするために道具を揃えるというような準備はできれば省力化したい過程なのではないかと思います。この「製品を作るまでの準備」にどれだけ時間をかけずに済むかということは、製品作りにその分の時間を割けることにつながり、クオリティにもコストにも直接反映されます。そして現代のものづくりは、ひとりの圧倒的な腕を持つ職人がその人だけで仕事を完結させることはほとんどありません。製造過程に関わる全ての人がエラーなく、一定のクオリティで、仕事をスムーズに完遂できること。これも高い品質を一定に出し続けるためにはとても重要な要素となります。この「無駄な時間を減らし」「誰もがスムーズに仕事を行えること」を突き詰めると、整理された仕事場が生まれていくのだと私は感じています。
例えば製造の現場には「形跡管理」という言葉があります。使用する工具や道具の置き場所を決め、そこにその工具の写真やシルエットを書いておくことで、誰もが同じ場所に同じものを迷いなく使って戻せるようにするという管理方法です。文字で書くと簡単で特別なことではないように感じますが、このシステムは日々の仕事の中で「あの道具どこやったかな?」という時間を減らすことができるということ、そして、その仕事場にその日初めて来た人でもすぐに道具を探すことができるというメリットがあります。使う道具を探して用意するなどの準備の時間は、一回だけであれば数分のことかもしれませんが、それが何日も何年も積み重なると決して小さいものではなくなっていきます。「ものづくり」を極めようとする仕事場では、そうした無駄を徹底的に排除し、それがクオリティにつながっていくのです。
話は戻りますが、映像制作の現場についても同じことが言えるのではないでしょうか? 特に毎回違う機材を使ったり違う場所で撮影を行うことが多いこの世界では、撮影前の準備にそれなりに時間がかかっている人も多いのではないかと思います。撮影前の機材のチェックなどは大切な作業ですが、それ以前の「持っていく機材を集めてパッキングする作業」はできる限り省力化すべき無駄な時間と言えます。CRDBAGは、まさにそういった映像制作ワークフローの問題解決のためのブランドです。
機材を入れるポーチという点だけで言えば、世の中にはいろいろな選択肢があり、かなり安価に手に入れられるものもたくさんあります。しかしそれらは形がバラバラであったりラベルを貼れる場所がなかったりと、統一して誰が見てもわかりやすいように管理するのには手間がかかりました。私もこれまで、自分のカメラバッグに細かい機材を収納する自分なりのルールを作ってきましたが、それをアシスタントに来てくれた人に説明するのが難しく、機材撤収は自分でやることになり、アシスタントを手持ち無沙汰にさせてしまうことがありました。
CRDBAGのコードポーチは見やすいパッチやラベルをポーチの上部に装着することでスタッフの誰もがどこに何が収納されているかが見やすい作りになっており、さらに一般的なカメラバッグにちょうど収納しやすいサイズであることなど、現場での取り回しやすさにかなり注意してデザインされています。撮影のない収納時にも、付属のカラビナで見やすく吊っておけば撮影準備の時にすぐに必要な物をピックアップすることができ、「機材の収納」と「運用の効率化」の両方に効果を発揮してくれます。
CRDBAGのさまざまな製品に装着できるミスクパッチーズ(別売)と呼ばれるパッチは、面ファスナーで取り付けられるようになっているので、他のカメラバッグに付けることもできます。私はローラーカメラバッグに貼り付けて、バッグ内の仕切りのどこに何の機材を入れていたかを分かりやすくするのにも使っています。これによってアシスタントなど、パッキングをしたときと違う人間が片付けをする際にも、作業がしやすくなりました。
また、コードポーチはパルス/モールアダプターという別売りのアクセサリを使うとベルトなどに引っ掛けて持ち運ぶこともできるようになっており、現場で機材を展開した後に、ちょっと持っておきたいツールを入れて運ぶのにも便利です。私はこのパルス/モールアダプターをスリングバッグのストラップに設置してコードポーチを取り付けて使っています。
コードポーチは一見シンプルな製品に見えますが、日々の撮影の効率化に大きな価値もたらしてくれます。自分で良いポーチや入れ物を探してきてラベルをつけてシステム化していくという作業は(これまで私もいろいろやってきましたが)、地味に大変でベストな状況にはなかなかなりません。ポーチとして考えると少し高級なこのシリーズですが、このシステムを一括で導入できると考えると決して高くはないと私は思っています。
ぜひ機材の管理をもっとシンプルにし、省力化したいと考えている方には使ってみていただきたい製品です。
コードバッグではほかにも、コードポーチをスリングバッグとして持ち運びできるようにするストラップ「コードスリング」や、カメラやレンズなどの機材を安全に保護するカメララップ「Yラップ」など、撮影現場での利便性を高めるアイテムを取り揃えています。
コードスリング 銀一オンラインショップYラップ 銀一オンラインショップ
伊納 達也(Tatsuya Ino)プロフィール
inahoFilm代表。
ノンフィクション映像作家。
1988年愛知県に生まれ、高校時代に映像制作を始める。
東映シーエム株式会社にて制作進行として勤務後、株式会社adoir(現・株式会社Vook)の立ち上げに参画。2014年から株式会社umariにてプロジェクトデザイナー・古田秘馬氏の下、さまざまなソーシャルプロジェクトの映像ディレクションを担当。2019年から栃木県鹿沼市に制作拠点を移し、「地域・家庭・会社などかつて主流だったコミュニティが絶対的なものではなくなっていくなか、人々はどのように新しいコミュニティや生き方を作っていけるのか」をテーマに映像作品を制作中。
inaho Inc.
https://www.inahofilm.com/
(主な上映・受賞歴)
・Short Shorts Film Festival & Asia 2021 バーティカルシアター部門選出
・札幌国際短編映画祭2019 ジャパンパノラマ選出
・My RØDE Reel 2019 Best Japanese Film
・Short Shorts Film Festival & Asia 2018 オフィシャルセレクション
・Greenwich Village Film Festival 2017 Best Short Documentary
・my Japan Award 2013 グランプリ
・Social CM Award 2009 グランプリ
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