[注目製品] ピークデザイン - モーターサイクルバーマウントの「完璧な正常進化」 -
2024年11月14日(木)に国内発売となる、ピークデザイン・モバイルシリーズの新製品「ワイヤレス チャージング モーターサイクル バー マウント」。
今回、モデルやレーサーとしても活動するモータージャーナリストREIさんに、その使用感を教えていただきました。
ピークデザインのモバイルシリーズ「ワイヤレス チャージング モーターサイクル バー マウント」をMV Agusta DRAGSTER RC SCSに装着し、テストを敢行。2021年に発売された「モーターサイクル バー マウント」からの変更点として、ワイヤレスチャージングとボールマウントを採用したことで、ピークデザインらしい元からのスタイルの良さに加えて、現代的利便性をも手に入れ、モーターサイクルのインプレッションとして一言で表現すると、「完璧な正常進化」を果たした。
特に今回のテスト車両のようなプレミアムブランドのモーターサイクルに組み合わせるならば、やはり「マウントもデザインとパフォーマンスにこだわりたい」とライダーが思うのは自然である。スマートフォンは、今ではモーターサイクルライフに欠くことのできない、いわばシステム要件だ。多くのライダーがヘルメットに装着するインカムを通じてナビゲーションの音声案内、音楽鑑賞、走行軌跡を保存するツーリングアプリなどと、常時接続するのが当たり前となっている。
私自身も、スマートフォンのバックグラウンドで思いつく限りのアプリを同時に起動させ、最大限の電力消費を狙ってみた。今回の目玉である「Qi2規格対応」の急速充電のおかげで、これまでの他社製品ではみられない速度で、あたかも有線ケーブル直結で充電しているかのようにみるみるバッテリー残量が増え、気づけば満充電を維持したまま走行することが可能となった。前時代的なケーブルの抜き差しから解放されて、ようやくまた自由を得たわけだ。ライダーなら共感いただけることと思うが、我々は自由にはうるさい、有線で縛られたくないのだ。
ただし、USBソケットを標準装備する車種はまだまだ少ないため、アクセサリー電源から給電する場合と、USBソケットを後付けする場合が考えられる。後者ならば、”急速充電”に対応した出力が可能なアクセサリーを選ぶ必要がある点にはご注意いただきたい。
今回のアップデートの主役とも言える、ワイヤレスチャージング機能を陰で支える脇役にも賛辞を贈りたい。それがボールマウントである。コックピットを機能美で洗練させるためには、仰々しいマウントをつけるわけにはいかない。あくまで目立たず、形態は機能に従ってもらいたい。新しいバーマウントは、ハンドルとの相性が許すなら、最小限のマウントで、ボールマウントが最大限の可動域を与えてくれる。単純に便利。名脇役あって、主役が光るのだ。
ピークデザインの「ワイヤレス チャージング モーターサイクル バー マウント」は、こだわりの愛車のデザインを損なわずにパフォーマンスアップしてくれる、素晴らしいカスタムパーツと言える。走る宝石と称されるMV Agustaにも引けを取らない、削り出しのビレットパーツだ。
今のところ、改善を求めたい点は見当たらない。充電規格に技術革新が起こらない限り、これがモーターサイクル用マウントの完成形ではなかろうか。
REI
MTV JAPAN VJとファッションモデルを経て、趣味が高じてモータージャーナリストとして活動。
また、千葉テレビ放送にて放送中の「週刊バイクTV」に出演しながら、自身のYouTubeチャンネル「REIVLOG」でバイクのある暮らしを発信する。同時にモーターサイクル・モータースポーツ関連のプロダクトトレーナー、マーケティングコンサルタントとしても活躍中。