[製品レビュー] オーシー – Mega 22S4 (21.5型/1500nit) フィールドモニター検証:高輝度・マルチビュー機能の現場における優位性
中国・北京にオフィスを構えるOsee Technology Ltd.(オーシーテクノロジー)は、映像制作用モニターおよびスイッチャーブランドです。
オーシーの映像制作用モニターは、画質と操作性に優れることから、クリエイターの創造性を最大限に引き出し生産効率を向上させることができます。また、競争力のある価格帯を維持する努力により、コストパフォーマンスにも優れています。
この度、シネマトグラファーとして数々のCMや映像作品を手掛けている湯越慶太氏に、実際の撮影現場でオーシーのプロダクションモニター「Mega 22S4」を活用していただきました。
シネマトグラファー 湯越慶太氏が語るMega 22S4の使用感

中国の「Osee(オーシー)」というメーカーは、2025年に入ってからちらほらとその名を聞くようになった印象です。まずは5inchや7inchの小型モニターで参入。画質の良さからは想像できない価格の安さで話題になりました。
今回、そのOseeから21.5inchの「Mega 22S4(メガ22S4)」という新しいモデルが出ることになり、使用する機会を得ました。
普段の業務に投入して画質と使用感、そしてこのモニターならではのマルチ画面機能をレビューしていきたいと思います。
外観について
外観はスタンダードな大型フィールドモニターといった印象です。材質はプラスチックですが、それなりの堅牢性があり、撮影現場でも強度面で不安を感じるようなことはありません。オプションでアクリルのモニターカバーが購入できます。ただ、カバーは少し柔らかい材質で、比較的傷が付きやすいかもしれません。
モニタートップには細い収納式の持ち手がありますが、これはもう少しがっしりしたものでも良かったのではと思います。ただ、折り曲げて収納できる点は秀逸と思いました。
また、背面にチーズプレートを取り付けることができるのも、現場からのフィードバックを取り入れていると感じる部分(※)。ワイヤレスの送受信や外付けスピーカー、収録機など様々な周辺機器を取り付けられるので便利です。
また、購入時点で縦横に対応した純正モニターマウントが付属しているのも嬉しいポイント。ワンタッチで90度回転させることができます。贅沢をいえば角度調整もできれば最高でした。
※標準仕様として、チーズプレートが1点付属しています。


画質、パネルの明るさについて

Mega22S4は公称で1500nitという大型モニターとしては異例の高輝度を謳っています。今回、機材室にて現場でよく使用するモニターと比較してみました。
比較対象は、現場のフィールドモニターの超定番であるSONY「PVMーA170」(写真右側)と、ここ数年で新たなスタンダードとして現場で見る機会が多くなったSmall HD「SmallHD 1703」(写真左側)です。
モニターの設定は全て色温度D65、Rec.709に統一、バックライトは最低輝度(SmallHD 1703は「Studio」モード)と最高輝度の両方を比較しています。
カメラはSONY FX6を使用してX-Liteのカラーチャートを撮影してみました。
比較してみてまず目を引いたのはMega22S4の輝度の高さで、最低輝度でも3機種の中で最も明るく、また最高輝度ではSmallHD1703をも上回っていました。SmallHD 1703の公称輝度が1000nitなのでカタログスペック通りではありますが、SmallHDをチョイスする理由の一つが輝度の高さだったことを思うと、これは非常に強力な選択肢になるな、と思いました。
また、チャートの色再現も現場レベルで全く遜色ないと感じます。それぞれのモニターでチャートを表示しましたが、現場で見るという観点では色再現も問題ないと思います。色温度などを数値で細かくカスタムする機能があればさらに使いやすくなるのではないかと思います。

ただ、輝度が高い反面、黒浮きがやや気になります。
色の再現性と黒の締まりという2点に関してはやはりSONY「PVMーA170」が優れていると感じました。しかしながら、Mega22S4が他の2機種と比較して圧倒的に低価格でありながら、遜色のない色再現と高輝度による屋外での見やすさを考えると、フィールドに持ち出すならMega22S4は非常に優秀な選択肢になると感じました。
マルチモニター機能
Osee「Mega 22S4」の非常にユニークな機能として、本体内で最大4入力を分割表示できるというものがあります。
本体背面にはSDIの端子が4つ、HDMIの端子が4つ付いており、それぞれ3つが入力、1つが出力として機能します。ただ、4入力対応であるにもかかわらず、同じ端子は3つまでしか対応していない、というのは少々残念ではありますが……。もし同じカメラで4入力をやりたければ1つはSDIかHDMIに端子を変換する必要があるということです。


モニター表示の切り替えは、画面左下のボタンから選択します。また、メニューの「Source Allocation」からどの入力をどの画面に割り当てるかを選択できるのですが、その選択肢も非常に広く、すべての入力ソースを分割画面の任意の表示エリアに自由に割り当てることが可能です。つまり「4分割だけど全部同じ信号」みたいな使い方もできます。「カメラは1台だけど縦型と横型のフレームラインを表示させて横に並べる」というような運用もできるのは、地味に便利な機能だと感じます。
分割画面のバリエーションも非常に多彩で、単純な4分割だけでなく、縦分割、横並び、メイン画面+3画面みたいな表示も可能です。個人的に気に入ったのは、モニターを縦にすることで2〜3分割画面を縦に並べるやり方。これだと同じ2画面でも、より大きく無駄のない配置にすることができます。
また、出力端子からは分割画面をそのまま送出することができます。つまり現場で簡易分割機としても使えるわけです。シンプルながら非常に使い勝手の良い機能だと感じました。





現場にて
今回いくつかの現場に投入してみたので、その使用感をレポートしたいと思います。
Case1 3カメによる舞台撮影


SONY FX6を3台使った舞台撮影に投入してみました。
3台のSDI入力をモニターを縦にした状態で3分割画面として表示し、問題なく使うことができました。この時は座席を潰してスペースを作ったのですが、モニターを縦置きにすることでスペースを節約することもできました。
Case2 2カメによるインタビュー撮影


SONY FX6を2台使用したインタビュー撮影でも、同じく縦置きの2画面配置で画面表示を行いました。この際、出力端子から別のモニターへも分割画面を送ることができたため、従来、こうした撮影に不可欠であった分配器や画面分割機を持ち込む必要がなくなり、荷物を減らしてシステムを簡素化するという面で非常に優秀だと感じました。
Case 3 1カメでTVCM収録

ARRI「ALEXA 35」を使用したCM撮影に、数回投入する機会がありました。1回はロケでのフィールドモニターとして使用しました。
高輝度モニターはフードを必要とせず、現場での取り回しも非常にスムーズでした。
背面のチーズプレートはワイヤレスのベースとして非常に使いやすいものでした。


また別の現場ではスタジオでグリーンバックでの撮影用モニターとして使用。こちらもグリーンの色味など十分に確認でき、現場でのフィールドモニターとして満足のいく使用感でした。
まとめ
さて、今回の製品レビューでは、Osee「Mega22S4」のスペックを見てみました。
既存の他社製モニターと比較して色再現に大きな破綻があるわけではなく、さらに、22インチで1500nitの輝度を持つことで、フィールドにおいては他にない快適なモニタリング環境が実現できました。特に、複数入力の分割に本体のみで対応していたり、シンプルながら堅牢性のあるモニタースタンドホルダーと、各所に設置できるチーズプレートなど、このメーカーがきちんと撮影現場を取材して必要なものを取り入れた形跡が見えるのが嬉しいところだと感じました。そして、同クラスのモニターと比較しても、かなりの低価格を実現していることも大きなポイントだと思います。
色表現などに関しては、より高価格のモニターのほうが安定感があるのは確かですが、フィールドに持ち出して高輝度を駆使して現場モニターとして取り回すのであれば、頼りになるモニターになることは間違いないと思います。また、価格がここまで安いのですから、レンタルではなく所有して現場に持ち出すといことも現実的になってきます。日常的にマルチアングル表示や、モニターにある程度の大きさを必要とする撮影が多い方にとって、選択肢に入れる価値が十分あるモニターだと感じました。
湯越 慶太(Keita Yugoshi)
シネマトグラファー
東北新社OND° 所属。CM制作部に在籍中から撮影が好きで、撮影部に転向。
https://www.ond-crc.jp/member/keitayugoshi/
受賞歴
ACC 2023 フィルムクラフト部門 Bカテゴリー ブロンズ P&G ファブリーズ
BOVA2023 一般公募部門 協賛企業賞 尼崎信用金庫「フレーズに恋して」
BOVA2023 広告主部門 準グランプリ 日本ハム「シャウエッセン断髪式」
BOVA2023 広告主部門 審査員特別賞 イエローハット+ピザハット+リンガーハット「ハット首脳会談」
ACC 2019 グランプリ 日清食品「日清関西工場」紹介ムービー 他多数
代表作品
埼玉県芸術財団「埼玉回遊」ショートフィルム/nuro光 「ときどのゲーム人生」WEBCM /尼崎信用金庫 「スクラム」「ラインアウト」TVCM/富士急ハイランド「絶叫だけじゃ、もったいない」TVCM/イエローハット・ピザハット・リンガーハット「ハット首脳会談」TVCM/日本ハム「シャウエッセン断髪式」TVCM/明治おいしい牛乳「おいしい牛ニュース」WEBCM/スーツセレクト 店頭サイネージ映像
他多数

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