[使用事例] ステディカム – M-1 Volt を使用して –

2019.10.29 トピックス

関西テレビ放送株式会社 制作技術局所属のカメラマン 山本 倫久氏よりいただいた、Steadicam(ステディカム)製品の使用事例を紹介します。

M-1 Volt はステディカムのカメラスタビライザーに取り付け、モーター制御することで不要なロールを抑制し、ティルト方向の制御をするアクセサリーです。
今回は、『友禅をまとう』の撮影にて、M-1 Volt を Steadicam M1 に取り付けて使用いただきました。


Steadicam M-1 Volt を使用して

<使用機材>
・カメラ:SHARP 8Kカムコーダー 8C-B60A
・レンズ:ZEISS Master Prime 16mm or 25mm
・ワイヤレスビデオ伝送:IDX CW-3
・アクセサリー:Chrosziel マットボックス 565シリーズ
・バッテリー:IDX DUO-150 × 2

8K 撮影をするにあたり、ステディカムで8K撮影を行いたいと思い、重量もあるカメラであることから、M-1 Volt を使用しました。
8K 撮影において、早いパンなどの動きや手持ちでの大きな揺れなどは、高精細、大画面で視聴する際に、視聴者が酔ってしまうということが言われているため、ステディカムを利用して動きのある中でも安定した映像の制作を心掛けました。

ステディカムの一番難しい点は、ゆっくりしたワークの中での安定感です。
従来のステディカムでは、どれだけ上手い人でも若干の横揺れがどうしても起きてしまいます。ステディカム特有の揺れは、味として表現されることもあり、揺れているから悪いということではありませんが、8K撮影においてこの揺れをいかに抑えるかが重要だと感じました。
M-1 Volt を使用することで、横方向の揺れに関してはほぼ抑えることが可能です。
この点において、非常に助かりました。
それでいて、ステディカム特有の動き、カメラマンの意図するワークを行うことが可能であり、いままで横揺れに関して気を使っていた部分を M-1 Volt に任せながら、画を作ることに集中できました。

撮った映像を大画面でプレビューしてみましたが、足場が悪かったせいもあり、どうしても左手に力が入ってしまい、M-1 Volt といえども若干の横揺れは発生してしまいましたが、私の拙い技術力でも安定感のあるショットが撮れていました。これが M-1 Volt でなかったらと思うと、とても使える映像にはなっていなかったと思います。
また、ティルト方向を固定できる点も M-1 Volt の特徴の一つです。アームを一番下げた状態からティルト状態で横フォローをした際に、この機能がとても助かりました。ティルトにかける力をなくせるため、左手に必要以上の力を入れる必要がなく、安定感のあるショットが撮れました。M-1 Volt ならではの機能であり、シチュエーションによってはとても威力を発揮してくれる機能だと思います。

設営に関してもとくに難しい作業はなく、今まで通りバランスをきちんと取れば、あとは M-1 Volt がバランスをとってくれます。ゼロバランスに近い状態でバランスを追い込む必要もありますが、慣れた人であれば問題ないと思います。
M-1 Volt を使用することでゼロバランスで運用できるため、重たいカメラを載せてもスレッドが長くなり過ぎず、扱いやすい長さで運用できる点も良かったです。
今ではいろいろな電動ジンバルも登場しており、ステディカムでなくても良いと思われていることもあると思います。
しかし、ステディカムはカメラを選ばないため、どのようなカメラを載せても、滑らかなワークを行うことができます。そして、揺れも含めて、ステディカムでしか表現できない映像の温かみもあります。

M-1 Volt はそのステディカムの良さは生かしながら、揺れを大幅に軽減できるシステムであり、ステディカムでの撮影に非常に有効なシステムであると感じました。
M-1 Volt があれば経験値の浅いオペレーターでも揺れの少ない安定したショットを撮れるとは思いますが、ステディカムに精通したオペレーターが使ってこそ、ステディカムの良さが最も生かせるようになるのだと感じました。
今後も精進して、ステディカムで撮影に励みたいと思います。

関西テレビ放送株式会社
山本 倫久


ステディカム製品の詳細はこちらよりご覧ください。