[使用事例] ステディカム M-1 Volt

Steadicam(ステディカム)のカメラスタビライザー「ステディカム M-1」 を自在に操り、撮影監督として現場で活躍をしている儀間 眞悟氏より、「ステディカム M-1 Volt」のレビューが届きました。
M-1 Volt はステディカムに取り付け、モーター制御することで不要なロールを抑制し、ティルト方向の制御をするアクセサリーです。その魅力をご紹介します。
Steadicam M1-Volt Review
ステディカム M-1を所有する自分にとって、M-1 Volt は映像を次のステップへ持っていくのに欠かせない機材です。
阪本 順治監督の作品『半世界』(2019 2/15公開)で初めて、M-1 Volt を使用しました。
映画『半世界』公式ホームページ:http://hansekai.jp
三重県南伊勢町での撮影で、現場によっては風もかなり強く、そんな時に限ってステディカムがよく使われました。
勿論これだけではないですが、一連の芝居で回り込みの多いワークや、アクションシーンでの瞬発力が求められるワーク、レールが引けない場所での役者の動きに合わせたなめらかなワークなどで求められました。
どのシーンも M1-Volt を使用することにより、芝居により集中ができたと思います。
自分がステディカムのワークで一番気になるのは水平(ロール)です。
何故気になるのか。
Garret Brown(ギャレット ブラウン)氏も講演で言っていましたが、人間の目は顔を倒しても視覚は常に水平を保ってくれます。(だから手持ちは嫌だと言っていました)
水平が保たれていない画に違和感がある理由は、そこにあります。
M-1 Volt は水平をカバーしてくれます。
水平をカバーする機材は多々ありますが、M-1 Volt の特徴として以下の5つが挙げられます。
- 1. ジンバル部分に装着するので普段のワークと変わらない
- 2. 重さ0.9kgと、他の機材に比べて軽い
- 3. 用途に合わせた細かい調整が可能
- 4. Fix の画も作れる
- 5. 同時録画に対応できる
自分はDP(撮影監督)としてステディカムを所有する立場ですが、M-1 Volt を使用することによって一層フレーミングに対して集中できるようになりました。
ただセッティングやワーク含めてステディカムの基本知識がないと、単に0.9kg重くしただけの機材になってしまいます。M-1 Volt を使用しても水平が保たれない場合は、必ず自分のワークに原因があります。そこに気づかせてくれる機材でもありました。
Director of Photography
Shingo Gima